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2009年10月16日 (金)

こそこその話がやがて高くなり

     こそこその話がやがて高くなり

     ピストル鳴りて

     人生終る

初出は前歌と同じ。2句目は「話声(はなし)が」。

全くの空想歌です。誰の「人生(が)終る」のか。自分の人生が、です。つまり自殺の歌です。では誰と「こそこその話」をしているのか。前の歌との関係で言えば、友人でしょう。「おれは死ぬ」「馬鹿なことはよしなさい」のようなやり取りがあって、自分がだんだん興奮して行き、友が思いとどまらせるために必死になり・・・・、それが「やがて高くなり」でしょう。そしてついにパーン、わが人生はかくて終わった。

<解釈>ピストルをこめかみ(?)に当てて、「おれは死ぬ」。友人は驚いて「馬鹿なことはよしなさい」と止める。だんだんそのやり取りの声が高くなっていった時、自分は引き金を引く。パーン、わが人生はかくて終わる。

42、43ページの見開きにもちゃんとモチーフがありました。「思いつめる」がそれです。

1首目は「わけもなきこと」を「まじまじと」思いつめた歌。

2首目は自分の今後を思いつめた歌。

3首目は小説が書けないことを思いつめた歌。

そして思いつめた挙げ句を空想した歌。

「思いつめる」というモチーフが次第に高まるように配列してあります。みごとな編集です。

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