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2010年5月 5日 (水)

この次の休日に一日寝てみむと

     この次の休日に一日寝てみむと

     思ひすごしぬ

     三年このかた

<ルビ>休日=やすみ。一日=いちにち。三年=みとせ。

ブログ再開の決心がようやくつきました。週2回ペースで載せてゆけるよう努力します。「邦人の顔たへがたく卑しげに」のように1首の解釈に1ヵ月半もかかることの無いように祈りつつ。

この歌の初出は「スバル」1910年(明43)11月号。したがって作歌は同年10月4日~16日。

「三年」は字義通りだと、上京した1908年5月~10年10月のことになります。しかしこの内最初の10ヵ月は就職していませんから、毎日が「休日」でした。という風に見て行くと、「三年」は「このところずっと」くらいの意味でしょう。

作歌直後の10月20日宮崎郁雨あての手紙にこうあります。

この頃僕は、一日ゆつくり寝てみたいといふ外に希望がない。何てかう急がし急がしい(ママ)だらうと思ふ。毎晩三時過ぎまでやる、それでも机の上からはちつとも用がへらない。二葉亭全集の二巻も来月の初めに売出すので、今が一番急がしい。もうすぐ三巻の原稿整理に図書館通ひをしなくちやならない。それに来月はウント原稿料をとらねばならぬ事情がある。ホントに一日寝てみたいものだ。

これが歌の意味そのものだと言っていいでしょう。

<解釈>この次の休日には何もしないで、一日ゆっくり家で寝ていたいものだ、と思いながら、このところずっとその希望は実現できないままだ。

60ページ右の「邦人の顔たへがたく卑しげに」で「家にこもらむ」とうたい、左のこの歌でも1日家にこもって寝ていたいとうたいます。「家にこもる」という共通のモチーフを見て取ることができます。

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