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2011年5月17日 (火)

「我を愛する歌」の研究 11

18-19ページ
     

     「さばかりの事に死ぬるや」
     「さばかりの事に生くるや」
     止せ止せ問答 

【解釈】「そんなつまらない事で死ぬのか。いや生きていよう。」「そんなつまらない事のために生きているのか。いや死のう。」 ある日のぼくの心が繰り広げる、はてしなき止せ止せ問答。

     まれにある
     この平なる心には
     時計の鳴るもおもしろく聴く
 
【解釈】まれに生じるこの安らいだ心の場合には、日ごろは私を急(せ)き立ていらいらさせる時計の音も、おもしろく聴けるのである。

     ふと深き怖れを覚え
     ぢつとして<
     やがて静かに臍をまさぐる 

【解釈】自分の存在の確かさは自分の心の確かさである、と少年の日から信じてきたが、その心が思いがけない変化をしてしまうものであると、最近知った。とすると心すなわち自分には中心にすべきものが無いことになる。そのことをじっと考えていると、わが手は自然に身体の中心である臍をまさぐっている。

     高山のいただきに登り
     なにがなしに帽子をふりて
     下り来しかな     

 【解釈】高い山の頂上に登り、折角登ったのに、何というわけもなく下界に向かって帽子を振っただけで、下ってきたのだった。頂点に立った時のおかしな心のあり方よ。

注解】p.18=死ぬか生きるかの心・平静の心。p.19=心の深淵への恐れ・高山頂上での心の微動。

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