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2011年5月 2日 (月)

「我を愛する歌」の研究 4

4-5ページ。

   

       大海にむかひて一人
   七八日
   泣きなむとすと家を出でにき

【解釈】大海に向かって自分一人、七日も八日も思いっきり泣いてやろうと思って家を出たのだった。

    いたく錆びしピストル出でぬ
   砂山の
   砂を指もて掘りてありしに

【解釈】(直訳すれば)ひどく錆びたナイフが出て来た。砂山の砂を指で掘っていたら。(もう少しイメージ化してみると)海沿いに1500mもつづく砂山にすわって海を眺めているうちに、ふと目の前の砂を掘ってみたくなった。真っ赤に錆びた金属に指があたった。何だ? 掘りだしてみたらピストルだった!

    ひと夜さに嵐来りて築きたる
   この砂山は
   何の墓ぞも

【解釈】一夜のうちに波打ち際のところどころに嵐が築いていったこれらの砂山は、まるでいくつもの土饅頭のようだ。土饅頭だと人の墓だが、これはいったい何の墓なんだ?

    砂山の砂に腹這ひ
   初恋の
   いたみを遠くおもひ出づる日

【解釈】函館の大森浜の砂丘に腹這って、青い海のかなたに目を放つと、青い空によって区切られるあたりに下北半島が見えている。あそこをずっと南下すると岩手県の盛岡や渋民だ。自ずと節子との初恋の日々に思いは至り、初恋にまつわるいたみを思い出す日よ。

注解】テキスト4-5ページの脚注・補注参照。

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