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2011年5月 9日 (月)

「我を愛する歌」の研究 8

12-13ページ。

   いと暗き
   穴に心を吸はれゆくごとく思ひて
   つかれて眠る

【解釈】真っ暗な穴に心を吸われてゆくようだと思って、1日の勤めに疲れきって眠りに落ちる。

   こころよく
   我にはたらく仕事あれ
   それを仕遂げて死なむと思ふ
 
【解釈】私は家族と自分が生きるために毎日職場で働いているが、気持ちよくやり遂げるべき天職こそが欲しい。天職を得られたらそれを仕遂げて死のうと思う。 

   こみ合へる電車の隅に 
   ちぢこまる
   ゆふべゆふべの我のいとしさ

【解釈】この頃(1910年頃)の東京の新光景ともいうべき通勤電車のラッシュ。その夕方の電車の隅に来る日も来る日も縮こまって乗っている自分の、愛すべき健気さよ。

   浅草の夜のにぎはひに
   まぎれ入り
   まぎれ出できしさびしき心

【解釈】浅草の夜の活動写真館のぎっしり詰まった人込みに、この世の憂さ・人間関係の煩わしさを忘れに行って、活動写真が終わってしまうとまた憂さ・煩わしさがもどって、人込みを出て来たあのさびしい心よ。

注解】4首共通の主題、勤め人の心情。

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