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2011年6月26日 (日)

「我を愛する歌」の研究 30

56―57ページ

     うぬ惚るる友に
     合槌うちてゐぬ
     施与をするごとき心に

【解釈】自惚れる友が語るのに相槌を打っていた。まるで施しをしているような心で。

     ある朝のかなしき夢のさめぎはに
     鼻に入り来し
     味噌を煮る香よ

【解釈】ある朝切ない恋の夢を見てそのさめぎわに、隣の部屋から家人が煮る味噌の香が漂ってきて、わたしを夢からうつつへと連れ出したのだった。

     こつこつと空地に石をきざむ音
     耳につき来ぬ
     家に入るまで

【解釈】帰宅の途中、コツコツと空き地で石を刻む音が気になった。家に入るまでずっと聞こえているような気がした。

     何がなしに
     頭のなかに崖ありて
     日毎に土のくづるるごとし

【解釈】(最近ぼくの意識の正常さが毎日少しずつ崩れて異常になって行くのを感じる。)なんだか、ぼくの頭の中に崖があって毎日その土が崩れているような感覚だ。

注解】意識の様態4つ。

<ブログをお読みいただくに際してのお願い>

このブログの勘どころは【注解】にあります。いつも【注解】にご注目の上、次の2点を実行してください。

朝日文庫版のテキストに帰って啄木の編集・割付の巧緻を、さらに組版(字体を含む)の妙を味わってください。

【解釈】は【注解】の理解に必要最小限の内容です。【解釈】をほんとうに理解するためには右のマイリストから「石川啄木著『一握の砂』を読む」に行き、「『一握の砂』全歌評釈」の当該歌に当たってください。

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