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2011年7月30日 (土)

(定本悲しき玩具)一握の砂以後 解説 3

二、土岐のこの編集はもう一つの問題を孕んでいた。

ノート歌集「一握の砂以後(四十三年十一月末より)」の三行書きは『一握の砂』のそれを飛躍的に発展させている。句点・読点・ダッシュ・感嘆符等が多用されるのである。『一握の砂』ではこれらは一切無かった。

しかもノートの表記は大きく二つに分かれる。一一二首目まではすべて三行書きだが、行の頭はそろっている(これを第一次表記と呼ぶことにしよう)。

ところが一一三首目以降は三行中の一行または二行の頭を一字下げる表記に発展する(第二次表記)。この表記こそ啄木三行書き短歌の最高の発展形態である。末期の歌二首には当然第二次表記が用いられている。

しかし土岐がこれを冒頭に持って来たために、『悲しき玩具』は、第二次表記(二首)→第一次表記(一一二首)→第二次表記(八〇首)となっていしまい、整然と二分されるはずの表記が乱された。(もちろん啄木自身が編集できたのであれば、すべてを第二次表記に統一したであろう。)

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