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2011年7月26日 (火)

(定本悲しき玩具)一握の砂以後 解説

『悲しき玩具』の問題点と本書の意義 

すでに述べたように、啄木のノート「一握の砂以後四十三年十一月末より)」が、第二歌集『悲しき玩具』の底本である。

『悲しき玩具』の出版に至る生なましく悲しい事情は、本書末尾に付した土岐哀果の『悲しき玩具』編集後記に明らかである。

ところで、編集者土岐哀果が『悲しき玩具』の底本とした、ノート形式の歌集(以下ノート歌集と呼ぶ)「一握の砂以後(四十三年十一月末より)」は従来「歌稿(=短歌の下書き)ノート」と呼ばれてきた。

しかし下書きの歌(歌稿)を集めたノートではなく、手許の歌稿を推敲して一往の決定稿とし、見開き左側に四首ずつ編集したノート形式の歌集なのである。(ノートの見開き右側は全ページ空白で、後日の再編集のために設けたものと思われる。)

啄木はこのノートから歌を選んで雑誌に寄稿したりその際あらたに推敲した場合もあった。したがってこのノートは「歌稿ノート」的な機能も持ってはいた。

しかしノートの基本性格は、一往の編集を経ては記入されていったノート形式の歌集、という点にある。そしてこのノートにおける歌々の姿とその編集は啄木が死んだ時点で、決定的なものとなったのである。

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