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2011年8月 6日 (土)

(定本悲しき玩具)一握の砂以後 解説 6

ノート形式の歌集 

ノート歌集「一握の砂以後(四十三年十一月末より)」には、明治「四十三年十一月末」から翌年四十四(一九一一)年八月二一日作の歌まで計一九二首(および書きかけの一行)が収められている。

第二歌集を構想するにあたって、啄木は『一握の砂』とは違った作り方を考えたらしい。『一握の砂』の場合、最初基礎にしたのは四冊の歌稿ノート(明治四一年~四三年)であった。そこにある歌々を抜き出し、編集しつつ原稿用紙に書き写したのである。これが先に見た第二次の方の「仕事の後」である。

しかしその後方式が変わった。『一握の砂』の編集・創造時(明治四三年一〇月四日~一五日)のことである。この約一〇日間に啄木は二六〇首の歌を新作したが、うち歌稿が歌稿ノートに記入されているのは二〇首だけである。のこり二四〇首の名歌・秀歌の歌稿は現存しない。

おそらく原稿用紙に歌稿が書かれ、それらは東雲堂に渡す『一握の砂』用の原稿として(何度も!全体的に!あるいは章ごとに再編集しながらまた推敲も加えて)書き写された後、さらに雑誌投稿用原稿の歌稿としても使われた後、処分されたのだと思われる。それらの歌稿は一切現存しない。

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