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2011年9月30日 (金)

「一握の砂以後」の性格・特徴 6

それが明治になって、活字印刷の導入により一行書き表記となった。しかし歌の内部では相変わらず七五調が支配している(副次的には五七調が)。

啄木は三行書きによってこうした「現在の歌の調子」「短歌在来の格調」を破壊しようとする

「三」行で書くと言うことは「二」行で書く調子(つまり五七五/七七と五七/五七七)を全て壊してしまう(無くしてしまう)ことを意味する

なぜなら、啄木にとって一行目と二行目の行末は小休止を意味するのだから。たとえば
   砂山の砂に腹這ひ
   初恋の
   いたみを遠く思ひ出づる日
は、「腹這ひ」で切り、「初恋の」で切るのあるから、決して七五調または五七調でつまり二行で、読むことは出来ないのである。

五七/五/七七と読め、これが読者に対する啄木の要求である。

こうして「現在の歌の調子」「短歌在来の格調」の「破壊」は同時に新しい調子の「創造」でもある。

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