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2011年10月 6日 (木)

「一握の砂以後」の性格・特徴 9

第二歌集『悲しき玩具』では破壊と創造がいっそう進む。

行の中に読点が入る、行末に句点・感嘆符・疑問符・ダッシュを用いる、3行中の1行または2行に1字サゲを施す。
  

  古新聞!                   
  おやここにおれの歌の事を賞めて書いてあり、  
  二三行なれど。                

 (この歌は「六!/五九八、/八。」で短歌の絶対条件とも言うべき5音と7音のうち5音が1つしかなく、7音はない。)
  

  友も、妻も、かなしと思ふらし――
   病みても猶、
   革命のこと口に絶たねば。

(この歌は「三、三、九――/■六、/■七七。」なので3行目の七七で歌の調子がようやく表出する。)

百年前に啄木三行書きの意義が正確に認識されたなら『一握の砂』の歌々でさえ短歌とは判定されなかったのではないか。

まして上の2首などは。(だから今日まで、啄木短歌は「在来の格調」にもどして読まれてきたのである。)

<付言>啄木のこの破壊と創造の仕事の偉大な意義と恩恵を分かっている歌人は、管見の限りではいない。

これで、「一握の砂以後(悲しき玩具)」の解説は終わります。次回からは幻の啄木歌集「仕事の後」の解説を始めます。

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