« 「一握の砂以後」の性格・特徴 6 | トップページ | 「一握の砂以後」の性格・特徴 8 »

2011年10月 2日 (日)

「一握の砂以後」の性格・特徴 7

髙叔玲(前掲)によると、三行書きによって啄木が生み出した形式は基本的には6つ(五七/五七/七、五七五/七/七等々)、そのうちの4形式では行末の7音を3音と4音に分解し、次行に3音または4音を送ることでさらに8形式を生み出した(たとえば五七五/四/三七など)。   

後者の一例。
  

  真白なる大根の根の肥ゆる頃
  うまれて
  やがて死にし児のあり
 

大室の研究(前掲)によると、『一握の砂』全551首中字余りを含む歌は219首。実に約40%の高率である。(そのうち33首は定型であった歌を『一握の砂』に三行歌として編集するにあたり字余り歌へと推敲したのである。)

この219首を調べるといっそう多くの形式が派生してくるであろう。が、未調査である。

さて、吉田精一(前掲)はかつて竹内敏雄の説を引いてこう言う。「短歌のリズムは、明確なセジュールによつて区分されて断続しつつ進行するのではなく、むしろ不断にうねりをうつて流動するやうな趣きを呈する」と。

竹内・吉田説に従うなら、『一握の砂』の三行歌はもはや短歌ではなく三行詩と言うことになるであろう。

« 「一握の砂以後」の性格・特徴 6 | トップページ | 「一握の砂以後」の性格・特徴 8 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/533861/52876757

この記事へのトラックバック一覧です: 「一握の砂以後」の性格・特徴 7:

« 「一握の砂以後」の性格・特徴 6 | トップページ | 「一握の砂以後」の性格・特徴 8 »