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2011年11月 2日 (水)

幻の啄木歌集「仕事の後」 12

この歌の4首あとに

  67、百万の屋根を一度に推しつぶす大いなる足頭上に来(きた)る

という歌が作られる。

啄木が盛岡中学時代に愛読した土井晩翠の第2詩集『暁鐘』(有千閣・佐養書店、1901年5月)に「おほいなる手のかげ」がある。第2連のみを引くが全3連ともに3、4行の詩句は同一である。
 

   百万の人家みなしづまり
   煩悩のひゞき絶ゆるまよなか
   見あぐる高き空の上に
   おほいなる手の影あり。

掲出歌(67)には、この詩の影響がはっきりと見て取れる。

「百万の屋根」と「百万の人家」、「大いなる足頭上に」と「上に/おほいなる手」。

こうした晩翠の詩句とともに異様なメージが呼び出される。

「百万の屋根」といえば当時の東京市2つ分だろうか。

それを「一度に推しつぶす」足! この足ゴジラの比ではない。

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