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2011年11月10日 (木)

幻の啄木歌集「仕事の後」 16

しかし啄木にとっては戦後恐慌も「不景気」もどうでもよい。これで今月の下宿代支払いのメドはなくなった。

これこそ大問題だ。「!」が啄木のショックを表している。またしても強いストレスがかかった。小説が書けない。金が入らない。食住が絶たれる。家族を呼べない。堂々めぐりの懊悩がストレスを増幅する。

夕方に百合の花をまた買つて来て、白のうちに一本の赤を交へてたのしんだ。

 夜に金田一君と二人例の散歩。電柱の下に立つてゐた美人を見た。

昨夜と同じ精神状態になって来たらしい。

「すき歩き」から帰ってからだろう。また歌の奔流がはじまった。日記は記す。

 頭がすつかり歌になつてゐる。何を見ても何を聞いてもみな歌だ。

赤いインクをペンに付けて歌を記し始める(赤インクは冒頭六首まで)。うち最初の三首。

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