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2011年11月14日 (月)

幻の啄木歌集「仕事の後」 18

86首まで作って来てようやく吐き出す奇想もほぼ尽きたらしい。

 87、我は今のこる最後の一本の煙草を把りてつくづくと見る

もう1首作ったところで突然父母妻子を歌いはじめる。

 89、灯(ともし)なき室(しつ)に我あり父と母壁の中より杖つきて出づ

 91、われ天を仰ぎて嘆ず恋妻の文に半月かへりごとせで

 94、父母のあまり過ぎたる愛育にかく風狂の児となりしかな

 97、いと重くやみて痩せぬと文よめど夢に見る児は笑みて痩せざり

日記には「父母のことを歌ふ約四十首、泣きながら」とある。

 102、津軽の海その南北と都とに別れて泣ける父と母と子

「津軽の海」の南(野辺地)に父、北(函館)に母、都にはひとり息子。

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