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2011年11月18日 (金)

幻の啄木歌集「仕事の後」 20

 115、百二百さるはした金何かあるかくいふ我を信ずるや母

渋民にいた頃こんな事を言って母を煙に巻いていたのも事実らしい。

そしてのちの名歌が誕生する。ただし五句は「三歩あゆまず」ではない。

 116、たはむれに母を背負ひてその余り軽きに泣きて三歩あるかず

父をうたう次の歌も佳い歌だ。曹洞宗の総本山から神童の息子に乗り替えようとして、宗費を息子の学費に流用した父のなれの果てだ。

 120、わが父は六十にして家を出で師僧の許に聴聞ぞする

母はどこまでも息子に尽くす。息子のためにはどんな苦労も厭わない。

 122、あたたかき飯を子に盛り古飯に湯をかけ給ふ母の白髪

 125、今日は汝(な)が生れし日ぞとわが膳の上に載せたる一合の酒

父にも悪いことをした。あれは何度目の帰郷の時だったか、何の事件の時だったか。

 130、父と我無言のままに秋の夜中並びて行きし故郷の路

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