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2011年11月20日 (日)

幻の啄木歌集「仕事の後」 21

突然父母を離れて、とんでもない歌を詠む。

 132、女なる君乞ふ紅き叛旗(はんき)をば手づから縫ひて我に賜へよ

6月23日の東京朝日新聞がのちに「赤旗事件」と呼ばれる事件を、「日本の露西亜化」「錦輝館前の大騒動」「革命の赤旗」「妙齢の佳人」などの見出しでおもしろおかしく報じた。

24日には国民新聞も「美人の無政府演説」「無政府の赤旗」などの見出しでセンセーショナルに報じた。

132は赤旗事件を詠んだ歌なのである。

 133、君にして男なりせば大都会既に二つは焼けてありけむ

この歌の第3句の最初の形は「二人して」である。ここまで詠んでこの句を抹消し「大都会既に二つは焼けてありけむ」と詠んだのだ。

「二つ」は「二人」を暗示しているわけである。

「二人」とは誰か。東京朝日新聞は24日にも「無政府主義社会党員騒擾続報」を出したが、記事中に「女に似気なき豪語」を放つ者として「菅野、木暮、二婦人の豪語」を紹介している。

事件の実際から言えば、「菅野」は管野須賀子、「木暮」は神川マツ子である。

したがってこの歌は管野・神川を詠んだことになる。

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