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2011年11月26日 (土)

幻の啄木歌集「仕事の後」 24

さて、「石破集」である。このタイトルはだれがつけたのか。啄木か寛か。

「石破」とはなにを意味するのか。1906年(明39)1月~1908年(明41)7月までの「明星」を見ると、個人の歌の特集で「○○集」というのは、この「石破集」しかない。

他は「新詩社詠草」である。ただし05年(明38)7月の「明星」に「涼月集」と題する歌群があるが、その歌群の著者は「石川啄木・せつ子」である。「石破集」は啄木の命名と見てよいであろう。

「石破」の意味は? 

太田登は唐の詩人李賀の「李憑箜篌引(りひょうくごいん)」中の句「石破天驚(せきはてんきょう)」から取ったとするが(『啄木短歌論考』)、啄木が李賀を読んだことを示すものは「古詩韻範」のみである。同書巻の四に李賀の「美人梳頭歌」がある。

これは読んでいるが、1911年(明44)8月のことである。それ以前に李賀を読んだことを示す資料はない。

太田の着想は今のところまだ仮説の域を出ない。成句としての「石破天驚」が明治40年代の日本人にどのくらい知られていたのか、という問題もあろう。

この考証は残っているが、ここでは別の可能性をさぐる。

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