« 幻の啄木歌集「仕事の後」 31 | トップページ | 幻の啄木歌集「仕事の後」 33 »

2011年12月12日 (月)

幻の啄木歌集「仕事の後」 32

森鴎外の観潮楼歌会では次の歌会のための題(たとえば、斯く・さぞ・瓶・海、など)を出しておく。兼題である。

新詩社の場合、題はその場で出されたらしい。この日であると、毒・上衣・横・万年筆(ぴつ)・土手、など(新詩社ではこうした題を「結び字」と言った)。これを1首の中に詠み込んで歌を作り、互いに発表しあうのである。

小説が書けなくて、自分の文学の才能それも「天才」に疑惑が生じ、その恐怖におののきつつ、苦悩をローマ字で書き綴る日々。

昨年6月下旬の歌の奔流は、カタルシスであった。

今啄木はカタルシスをローマ字日記でおこなっている。昨日の記述は特にすさまじかった。

もはや歌はカタルシスの手段たりえない。歌うべきことなどない。

今の絶望的努力、絶望的情況を歌で表現することなど、論外だ。まして題詠など遊戯としか思えない。

« 幻の啄木歌集「仕事の後」 31 | トップページ | 幻の啄木歌集「仕事の後」 33 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/533861/53441666

この記事へのトラックバック一覧です: 幻の啄木歌集「仕事の後」 32:

« 幻の啄木歌集「仕事の後」 31 | トップページ | 幻の啄木歌集「仕事の後」 33 »