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2011年12月20日 (火)

幻の啄木歌集「仕事の後」 36

さて、「ローマ字日記」の日々はまだまだ続く。

会社をサボってまで来る日も来る日も同じ悪戦をつづけた。

信じがたい最後の苦闘の末ついに認めざるを得なくなった。自分は小説が書けなかった、「天才」ではなかったらしい、と。

そこへ家族が函館から上京してきた。この6月16日以後約百日間かけて心の整理を行い、啄木はついに天才意識を払拭し、天才主義をほとんど精算した。

啄木新生 啄木は9月末の段階ですでに、自分の文学活動よりも家族の扶養を優先させる真面目な勤め人になり、借金をやめ、家計の不足分は夜勤や原稿書きで補おうとしていた。

この啄木を強烈な衝撃が襲った。

10月2日、妻節子が家出したのである。娘京子を連れて盛岡の実家に帰ってしまったのだ。

「漸々この頃心を取直してこの身のつづく限りは働かむと思立ちたる折も折の」(新渡戸仙岳宛10/10)妻の家出だった。

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