« 石川啄木伝 東京編 14 | トップページ | 石川啄木伝 東京編 16 »

2012年10月16日 (火)

石川啄木伝 東京編 15

 「病院の窓」は先の述べたような代物である。鴎外が見ればそのつたなさは一目瞭然であろう。「天鵞絨」はどうか。 
 この作品を評価する人はいなくはない。たとえば窪川鶴次郎、岩城之徳、猪野謙二、小田切秀雄、上田博などを挙げることができる 。そうした中にあっても今井泰子の「天鵞絨」評価は際立つ。岩城、上田の評価はあきらかに今井の影響下にある。
 今井泰子は『石川啄木論』において「天鵞絨」に15ページを費やした。ちなみに、「呼子と口笛」に費やしたのが27ページである。今井の評価の核心を引こう。
 ……「天鵞絨」は、筆致ものびやかで作品のまとまりもよい。啄木において小説の水準に達している作品は、思うに「天鵞絨」と「道」ぐらいなものである。
 ……「天鵞絨」は、従来ほとんど顧慮されない作品であるが、啄木の小説としてはむしろもっとも鑑賞に堪えうる作品と思われる。

 はたしてそうか。

« 石川啄木伝 東京編 14 | トップページ | 石川啄木伝 東京編 16 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/533861/55903730

この記事へのトラックバック一覧です: 石川啄木伝 東京編 15:

« 石川啄木伝 東京編 14 | トップページ | 石川啄木伝 東京編 16 »