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2012年11月 2日 (金)

石川啄木伝 東京編 23

 さて、翌12日「二筋の血」と「天鵞絨」を持って博文館に長谷川天渓を訪い、会ってはもらえなかったが、2編を置いて来た。下宿には金田一が折角作ってくれた12円全額は収めず、10円だけ収める。この神経は不思議である。この日金星会のある会員から3円の会費が為替で届いた。これで5円になる! 啄木はさっそく買い物だ。1円65銭出して単衣を買う。金田一はさらに5円貸してくれた。明日の買い物は派手だろう。なにしろ8円35銭もある。
 13日、銭湯に行き、床屋に行き、原稿用紙と百合の花と足袋と香油と切手を買った。それでも殊勝なことに下宿代の残りを払い、金田一に1円返した。植木貞子は昨日も今日も押しかけてくる。友人が次々と来ておしゃべりしていく。
 14日、春陽堂に原稿料催促の手紙。「病院の窓」が金になる原稿だと思っているところが度し難い。絵葉書を6枚買ってきて渋民の子供たちに出す。また外出して銀台の洋燈を買う。夜には青磁の花瓶を買って金田一に届けている。そんな無駄遣いをされた金田一の心中はやるせなかったであろう。啄木の金銭感覚は狂っている。しかしこれは死ぬまで治らない。

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