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2012年11月 8日 (木)

石川啄木伝 東京編 26

 甘えられた妻はたまったものではない。おそらく息子を早くから家庭持ちの苦労に陥れた嫁として節子を憎んでいるであろう気の強い姑。その姑と病気の子を抱えて夫の仕送りも無しに、宮崎郁雨の世話になっている節子。節子以上に郁雨の世話を苦痛に思っているカツ。三人を預けられた郁雨。しなだれかかってくる啄木の止め処のない甘ったれには寛容な郁雨も困惑しおそらく辟易しているであろう。
 金田一も衣服を質に入れて工面した金で、花瓶を買ってきてくれる啄木にあきれて、乾いた砂地に水をまくような感覚を味わっているであろう。金田一の友情の根本には啄木の才能への不抜の信頼がある。もっともはやく石川一の才能を認めたのは、そして今の日本でもっともその才能を信じているのは金田一京助である。
 ともかく「天才」啄木の近しい人々の傍迷惑はこれまでも、これからも、続く。

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