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2013年2月24日 (日)

石川啄木伝 東京編 77

 9月5日は観潮楼歌会の日だ。「袷は質に入れてあるので、袖口のきれた綿入を着てうそ寒い。為すこともなくうつらうつらと煙草の粉を吸つてると」2時頃吉井勇がやって来た。2人で兼題の歌をつくり、5時に鷗外宅へ。佐佐木信綱が来ていた。鷗外は遅れて賀古鶴所・与謝野寛とともに香の会から帰宅した。伊藤左千夫も来た。平野は啄木と吉井が迎えに行った。
 散会は11時。「主人は俳句の会も起したいが、山縣公の常磐会があるので、とても今の所ヒマがないと言つて居られた。」すでに赤旗事件が起こっている。大逆事件に向かう導火線は点火され燃えているのだ。赤旗事件から大逆事件にいたる過程の大本締めが山縣有朋である。
 9月6日
 十一時頃に起きた。枕の上で矒乎(ぼうと)考へ事をしてゐたのだ。
 金田一君が来て、今日中に他の下宿へ引越さないかといふ。……怎して然う急に問うと、詰り、予の宿料について主婦から随分と手酷い談判を享けて、それで憤慨したのだ。もう今朝のうちに方々の下宿を見て来たといふ。

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