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2013年3月24日 (日)

石川啄木伝 東京編 91

 9月26日の日記。
 白楽天詩集を読む。白氏は蓋し外邦の文人にして最も早く且つ深く邦人に親炙したるの人。長恨歌、琵琶行、を初め、意に会するものを抜いて私帖に写す。詩風の雄高李杜に及ばざる遠しと雖も、亦才人なるかな。
 27日。
 白詩に親しむ。共に琵琶行を吟じて花明君の眼底涙あるを見、憮然として我の既に
泣く能はざるを悲しむ

 29日。 
 杜甫を少し読む。字々皆躍つてゐる様で言々皆深い味がある。無論楽天などと同日に論ずべきものではない。これに比べると、白は第三流だ。
 小説の評価は的外れのようだが、唐詩の批評は尋常ではないようだ。長恨歌、琵琶行等を筆写した「私帖」は残念ながら残っていない。しかし白楽天のこれらの傑作もかれが読んでいたと言うことである。しかしその白楽天への評価の厳しいこと、李杜特に杜甫への傾倒ぶり、「二十二歳の若者とは思えぬ批評眼の高さに、改めて驚く。」 (石川忠久)
 「白楽天詩集」は近藤元粋評訂の『白楽天詩集』(青木嵩山堂)であろう。
 30日。
  夜、金田一君と麦酒をのみ、蕎麦をくひ乍ら、宋元明詩選を読んだ。陶然として酔ううて室に帰つたのは十時半頃、それからハウプトマンのHannele を少し読んで寝た
 「宋元明詩選」は近藤元粋著『宋元明詩選』(青木嵩山堂)であろうがなんという読み方ができるのか。訓点も註も詩句ごとの改行もない漢詩集である。「麦酒をのみ、蕎麦をくひ乍ら」読んでいる!

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