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2013年3月28日 (木)

石川啄木伝 東京編 93

 新詩社からもどり、やってきた吉井に写真の一件を話し「筑紫の人の事で大笑ひ」。
 4時、連れだって観潮楼歌会へ。この日のメンバーは森鷗外、佐佐木信綱、伊藤左千夫、平野万里、吉井勇、北原白秋、与謝野寛、太田正雄(木下杢太郎)、服部躬治、古泉千樫、石川啄木、遅れて賀古鶴所。啄木はこの日は「空前の盛会」と記す。
 たしかにこの年の12月杢太郎、白秋、山本鼎、啄木らがパンの会を始め、耽美派が誕生。観潮楼歌会への若手出席者は閑散となる。啄木と杢太郎は、この日初めて会った。
 なお、この3日新詩社への出がけに、本郷「四丁目の文明堂といふ本屋の店先で、野村長一君に逢つた。昔とは見違へる程肥つてゐたが、別老けてはゐなかつた」とも記す。最初の上京時啄木が非常に世話になった長一(のちの胡堂)は今東京帝国大学に在学中である。
 10月4日、金田一と二人で明星百号に載せる写真を撮りに九段の佐藤という写真屋へ 。写真を撮ったあと二人で日本初の洋風近代式公園・日比谷公園へ。「人工の美も流石に悪くない。松本楼でビールを飲み乍ら晩餐をとつて」いる。それから浅草に行って、塔下苑をさまよい、大勝館で活動写真をみて、四丁目の藪でまたビールを飲んでと大いに散財している。もちろんすべては金田一の財布から出たのだ。

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