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2013年4月14日 (日)

石川啄木伝 東京編 101

 27日の日記で吉井批判が始まる。
 10月28日「一時頃主婦を呼んで下宿料を待つて貰ふ談判、うまく成功」。「呼んで」の3文字が嫌みである。滞納している下宿料の延滞交渉である。どうして自分の方から交渉に行かないのか。
 30日「朝飯を七時に済まして、戸塚村に小栗風葉氏を訪ねたが、運悪く不在」。これほど風葉にこだわるのは、今の啄木が目指している小説が他の誰よりも風葉のスタイルであるからだろう。(自己を直視しないで売れる小説を書く法。今一番売れる小説を書いている。)
 31日「約の如く夜雨を犯して千駄ヶ谷にゆき、五円貰つた」。下宿代は当面払わなくていい。そうなると遣いたくて居ても立ってもいられなくなるのが啄木だ。
 この月は18日の「独歩第二集」以後もたくさん小説を読んでいる。貸本屋という新兵器が登場したお蔭であろう。小説執筆の参考にするのだろう。
 20日秋声「凋落」独歩「濤声」、22日風葉「天才」、24日小杉天外「コブシ」上、トルストイの短編、26日「コブシ」中・下、31日ツルゲーネフ(二葉亭四迷訳)「浮草」。この外ダヌンチオの「the Victim」も栗原から借りて読んだようだ。

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