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2013年4月24日 (水)

石川啄木伝 東京編 105

 11月4日「終日執筆。(二)の四、五の両回完成」。
 11月5日。
 貸本の秋声作”多数者”を読了して、虚子作”鶏頭”をよんでると、六時頃、珍しくも太田正雄君がやつて来た。九時半まで快談――然り、快談した。予は恐らく此人と親しくなることであらう。
 太田正雄(木下杢太郎)との急接近である。
11月6日。
 あはれ、前後九年の間、詩壇の重鎮として、そして予自身その戦士の一人として、与謝野氏が社会と戦つた明星は、遂に今日を以て終刊号を出した。巻頭の謝辞には涙が籠つてゐる。
11月7日。
 朝早く起きたが原稿紙が足らないので、九時に平野君へ行つて一円借りた。今起きたと言つて、まだ食事もせずにゐた。そしてパンを食ひ乍ら話した。昨夜口語詩を罵倒する一文を書いたと言つてゐた。
 杢太郎との親交、万里の口語詩罵倒などは、間もなく始まる耽美派の文学運動および啄木のそれとの接近と別離に微妙なかかわりを持つことになる。

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