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2013年4月10日 (水)

石川啄木伝 東京編 99

 14日
 夜、久振で金矢光一君が来た。実は少しハツとした。それは外ではない。今書いてい   
 る”鳥影”は、この金谷君の家をモデルにしてあるからだ。最
(ママ)も、人物はその儘とつたのではなく、事件も空想だが…………七郎君と、光一君の母だけは、然し大分その儘書かれる。
 翌日「十二番の室にゐる医科卒業生増田といふに刺を通じて、二時間許りも赤痢病に関して訊ねた。」とある。
 おそらく和製インサーロフの吉野満(みつ)太郎を赤痢にするための取材だと思われる。実際には智恵子を赤痢にするのだが。そしてまた、赤痢を調べたことが、「スバル」創刊号の小説「赤痢」の執筆にも通じてゆく。
 16日小栗風葉の「恋ざめ」を貸本屋に借りて読みひどく感心。「実にうまいものだ。今の所か程の文章家はあるまい」とまで書く。
 18日「貸本屋が来たので、”独歩集第二”をかりて読む。うまい!」
 19日並木武雄と一緒に文部省の美術展を観に上野へ行く。和田三造の「煒燻」と荻原守衛の「文覚」に感動している。啄木の絵や彫刻を観る目の卓越性を示している。

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