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2013年4月12日 (金)

石川啄木伝 東京編 100

 10月26日。
 今日はよい日であつた。午前に栗原君から葉書。”鳥影”を島田社長と合議の上貰ふことに確定したと言つて来た。
 どんなにうれしかったか、日記よりも手紙、それも栗原への礼状によく表れている。
 只今御葉書拝受、御高情誠に忝けなく、驚喜仕候。恁うなれば小生も怎やら生甲斐がある様な気致し、一生懸命やるべく候間何卒向後よろしく御願ひ申上候。続稿すぐ着手可仕候。登載の日より何卒新聞は恵与の程願上候。
 「驚喜仕候」は本当の気持ちであろう。この文面のあと哀れっぽく理由を述べながら、原稿料の前借りを願い出ている。どうしてこうも甘いのだろう。もちろん東京毎日は受け入れない。
 清岡等、新渡戸仙岳、桜庭ちか子、宮崎郁雨・岩崎正、妻節子にもさっそく葉書で報告している。
 栗原には「続稿すぐ着手可仕候」と言いながら、夜になると吉井と一緒に浅草へ。
 ロンドン大火のキネオラマは面白かつた。それから例の提灯の小路を歩いたが、吉井君のお蔭で知らなかつた辺まで見た。
 浅草→映画館街→塔下苑→買春というお定まりコースの始まりである。この日は金がないから、買春はしない。

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