« 石川啄木伝 東京編 127 | トップページ | 石川啄木伝 東京編 129 »

2013年6月10日 (月)

石川啄木伝 東京編 128

 小奴は旦那の目がなくなったので、さっそくやって来たらしい。経験十分の吉井は察してすぐに帰る。「二時頃」から「夕方まで」は水入らずの時間となった。植木貞子とのことを記した日記では、こういう時間は情交の時間である。この時間もその時間であろう。
  それから小奴と二人、日本橋の宿へ電車で行つて、すぐまた出た。須田町から本郷三丁目まで、手をとつて歩いた。小奴は小声に唄をうたひ乍ら予にもたれて歩く。大都の巷を――。俥で鈴本に行つて、九時共に帰宿、金田一君を呼んで、三人でビールを抜き、ソバを喰つた。
 十二時に帰した。通りまで送つた。

 一旦日本橋に行ったのは逸身が大阪に向かった事を確認しに、であろう。在京ではないことを確認したふたりは羽目を外す。日本橋の蓬莱屋に小奴が着くのは、何時になるのだろう。蓋平館に12時過ぎに帰る石川啄木よりも、もっと上手の女客である。

« 石川啄木伝 東京編 127 | トップページ | 石川啄木伝 東京編 129 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/533861/57483448

この記事へのトラックバック一覧です: 石川啄木伝 東京編 128:

« 石川啄木伝 東京編 127 | トップページ | 石川啄木伝 東京編 129 »