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2013年7月 4日 (木)

石川啄木伝 東京編 140

 こうして豊かな文学上の交誼を新たに得、かつ復活した。北海道とは天地の差のある文学的環境だった。
 天才意識喪失の恐怖と戦いつつ小説を書く啄木の逃避先は、セックスだった。すでに道念の融けたかれは初めて妻以外の女に通じた。植木貞子である。
 歌は天性と感性があればよく、構築力はいらなかった。歌も逃避先の一つだった。
 6月下旬突然歌人啄木が誕生した。秋にかけて、小説が書けない分、歌の進歩は著しかった。栗原元吉のおかげで初めて小説の仕事が舞い込んだ。自信のないまま、驚喜して引き受けた。ますますの自信喪失と原稿料収入が浅草塔下苑へ通わせることとなった。
さらには上京した小奴ともいとも簡単に関係をむすんだのだった。
 その反面「スバル」創刊において事実上中心的役割を果たしてもいる。
 失職中の小樽の正月に始まり、海凍る釧路での新聞記者生活・初めて馴染んだ芸者と酒の日々、釧路脱出、東京は本郷、蓋平館の日々まで、なんという一年間であろう。
生活上は多事多端、内面生活は波瀾万丈。

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