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2013年9月 6日 (金)

石川啄木伝 東京編 160 番外編

  わたくしの「石川啄木伝」には書いていない、いわば番外編を贈ります。

 啄木の死後に与謝野晶子が詠んだ。

  ありし日の万里と君のあらそひを手をうちて見きよこしまもなく

 以下の歌は桜井健治「啄木における万里と『スバル』」(「啄木研究」創刊号、1976) に拠る。貴重で興味深い論文である。ご一読をお奨めする。

 啄木没して32年後の昭和19年(1944)4月10日平野万里は「啄木を憶ふ」と題して10首を詠んだ。昭和19年と言えば大日本帝国滅亡の前夜。日本国民は史上最悪の時期を迎えようとしていた。

 5首を紹介しよう。

  啄木の岩手なまりを思ひ出づ山鶯を聞くかのやうな

  菊坂の下宿の電話おそれつつ小説書きし若き啄木

  金田一京助君を頼りとし頬円かりし若き啄木

  啄木の辛さを知らずその無知や測るべからず当時の青年

  後年の窮迫したる啄木を知らねば彼の豊頰笑ふ

 

 

 

 
  

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