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2013年9月24日 (火)

石川啄木伝 東京編 169

 2月6日。
 隣りへ泊つた北原君に六時頃おこされ、六時半二人で出てあるところで朝飯をくつた、腹がへつたといつてシンコを食つた男があつた、それから手拭をかつて湯にゆき、公園で新聞をよむ、吾妻橋から両国まで川蒸気にのる、面白かつた! 二人は時々すみ子をほめた、予の心にはいろいろの感情がゴチヤゴチヤしてゐた、
 飯代わりに「シンコ(漬け物)」を食べる男の来る店である。いわゆる一膳飯やのたぐいでは無かろうか。啄木はホームレス経験があるからなれている。柳河のお金持ちの坊っちゃんにも美味かったのだろうか。 
 北原の宅へゆき、休む、六円しか残つてゐなかつた、午後同君から八円を受取つて髪を刈つてかへる、並木来る、太田来る、昨夜の話をして大笑ひ、太田からスバル三号の原稿たのまれた何れアトで返事することにする、
 夕方金田一君かへつて来た、七時頃共に夕めし、(それまで予に飯を出さなかつたのだ)ところへ女中が談判に来た、六円は金田一君へやつたので、残りのうちから五円やつて一三日までのばして貰ふことにする、残り二円と少し、

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