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2013年10月 2日 (水)

石川啄木伝 東京編 173

 かくて小奴から届いた大枚20円は1日で12円50銭になった。洋書も欲しかったろう、パンの会で騒ぎたっかったろう。遣った7円50銭のうちの5円でも送られていたなら、節子もカツもどんなによろこんだであろう。いや、節子の方の気持はもう切れていたであろうか。
 他方啄木の金銭感覚を異常といっても、遣ったのは本代とパンの会のいわば参加費だ。本はすぐ読み終わって2日後には1円30銭で売ってしまう。啄木がパンの会に参加するのはこのときが最後となる。第3回目であるこの会はまだ内輪の会合のようだ。
 パンの会が最初の高潮に達するのは4月10日のことだ。そのとき啄木はローマ字で日記を綴っているだろう。
 28日ハガキにしたがって北原宅に行き、鈴木鼓村に付き添われて大学館に「鳥影」を売り込みに行く。夕方下宿に10円払った。「百十何円へ十円!」と日記。
 3月1日初出勤の日だ。20円は45銭になっている。「嚢中四十五銭これではならぬとアート エンド モーラリチー」を売る。

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