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2013年10月 8日 (火)

石川啄木伝 東京編 176

 2日並木武雄の所に行ってかれの虎の子の懐中時計を借り、8円で質に入れる。その金で(天ぷら屋の)「天宗でのんで、先に北原と行つた時の借を払ふ」。また8円の借金だ。雪だるまのように膨らむ借金。
 3月2日3日郁雨宛に長い長い手紙を書く。
 2日の末尾に「三月末までに何とかして金を送つて家族をよびたいと思つてる。家の方頼む」とある。この気持ウソではないが本気でもない。この1年のなりゆきとしては家族を呼ぶのが当然とは思っている。しかし頭の中の半ば以上を占領しているのは、小説が書けない焦燥と自信喪失の恐怖。それが具体的にどう現れるかは、春陽堂・小奴からの計42円75銭の遣いぶりに見た。

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