« 石川啄木伝 東京編 186 | トップページ | 石川啄木伝 東京編 188 »

2013年10月30日 (水)

石川啄木伝 東京編 187

 失敗した小説断片がおそるべき予言となっている。この予言を大気汚染というレベルでくくるなら、現在の地球温暖化の予言ですらある。まことに啄木端倪すべからず。
 たとえば釧路新聞で示されたようなグローバルな視野を持つ眼そしてこの未来を予見する眼、この超凡の眼があっても、自己の弱点を直視する眼のない啄木には「あゝ、それと予との間に何の関係がある」とならざるを得ないのである。
 虫のいい望みをいだいて啄木は27日、29日と大学館を訪れる。
 そして3月30日。
 約の如く今日こそはと大学館へ行つた。二時間も待たされてゐるうちに出社の時間はパッスした。そして「鳥影」の原稿を返された!
 面当に死んでくれようか! そんな自暴な考えを起して出ると、すぐ前で電車線に人だかりがしてゐる。犬が轢かれて生々しい血! 血まぶれの頭! あゝ助かつた! と予は思つてイヤーな気になつた。……

« 石川啄木伝 東京編 186 | トップページ | 石川啄木伝 東京編 188 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/533861/58431287

この記事へのトラックバック一覧です: 石川啄木伝 東京編 187:

« 石川啄木伝 東京編 186 | トップページ | 石川啄木伝 東京編 188 »