« 石川啄木伝 東京編 192 | トップページ | 石川啄木伝 東京編 194 »

2013年11月12日 (火)

石川啄木伝 東京編 193

葛藤の動因は単純である。
1、自己の現状を直視できぬ
2、事実が直視を迫る

APRIL. 
TOKYO 
7TH. WEDNESDAY.
HONGO-KU  MORIKAWA-TYO  1 BANTI.
SINSAKA 359 GO.  GAIHEI-KAN-BESSO NITE.

と記されておもむろに本文がはじまる(4月7日、水曜日) 。
 Hareta Sora ni susamajii Oto wo tatete, hegesii Nisikaze ga huki areta.
 字数に制限がないから、さしあたり何を書いてもよいのだ。風が巻き上げる砂埃も、午後には落ち着いた。暖かい春の一室に貸本屋のおやじが入ってきた。桜の開花と人出を話題にする。昨日社から前借した残り5円が気になってしようがないという。
 Siyo koto nasi ni, Roma-ji no Hyo nado wo tukutte mita. Hyo no naka kara, toki-doki, Tugaru-no-Umi no kanata ni iru Haha ya Sai no koto ga ukande Yo no Kokoro wo kasumeta.
 ローマ字の日記を始める前に「ローマ字の表」を作るべきであろう。書き始めてから表を作るとはどうしたことか。
 先に見たようにこの「帳面」を買って来たのは翌日の8日なのであった。だから実際には7日に「ローマ字の表」を作ってローマ字書きの準備をしていたのである。そしてこの7日の日記は8日に書いているのである。

(啄木の「ローマ字日記」は必ずローマ字で読まれるべきものである。そうすれば間もなく一語一語紙面に刻むペンの軋みが聞こえて来だろう。やがてそれはペンが魂に刻む軋みとなって聞こえて来るであろう。)

(このブログでは、長音符を表記できないため、例えば、「表」のローマ字表記は「Hyo」のようになる。文脈の中で字義を読み取られたい。)

« 石川啄木伝 東京編 192 | トップページ | 石川啄木伝 東京編 194 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/533861/58543380

この記事へのトラックバック一覧です: 石川啄木伝 東京編 193:

« 石川啄木伝 東京編 192 | トップページ | 石川啄木伝 東京編 194 »