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2013年11月14日 (木)

石川啄木伝 東京編 194

 すると「表の中から……母や妻のことが浮かんで」きたのであった。つづきを読もう。
  “Haru ga kita, Sigatu ni natta.  Haru !  Haru !  Hana mo saku !  Tokyo e kite mo itinen da …………Ga, Yo wa mada Yo no Kazoku wo yobiyosete yasinau Junbi ga dekinu !” Tika-goro , Hi ni nankwai to naku, Yo no Kokoro no naka wo atira e yuki, kotira e yuki siteru, Mondai wa kore da……………
 家族上京の準備をまだ本気になって考えていない。日記に向かっていかにももっともらしく悩んでみせているにすぎない。
 なぜならかれはすでに東京朝日新聞の社員である。月給は夜勤込みで三〇円が保証されている。この定収入は四人家族の最低限の生活を保証する額である。蓋平館はこんな払いの悪い下宿人は出ていってもらいたいであろうから、将来の償却を約束すれば下宿を出られるであろう。新しい家を借りる金や当座の家族の生活費はどうするか、宮崎郁雨などに援助してもらえばよいであろう。地道につましく生活し、臨時収入の道を講じてゆけば明治末の東京人のごく一般的な生活はゆくゆく可能となるであろう。こうして、啄木が本気で家族を呼びよせようとすれば、二ヶ月後に――いやおうなしにだが――それができたように四月の今でもそれはできるのである。
 「Sonnara」、なぜそうしないのか? こう問題を立てれば一気に問題は解決に向かいうる。ローマ字の日記も不要になるかもしれない。ただしその場合矢は深く真っ直ぐに自分の胸に立つ。

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