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2013年11月20日 (水)

石川啄木伝 東京編 197

 啄木のつぎのような思いをはさまないと理解できない。妻を「アイシテル」のも事実だが、妻の束縛に自分が苦しんでいるも事実である。右記の「束縛」などはまだいい方だ。今年一月一九日に杢太郎とこんな話をしたのだった。「(僕の最も深い弱みを見せようか?)と予は言つた。(何だ?)(結婚したつてことよ!)」
 以前にも書いたが、当時女の近代的職業は小学校教師と看護婦くらいしか無い。それらに就ける人はごく少数である。都市で暮らす女の大多数は、結婚し妻になることでしか生きて行けないのだった。あとは芸者・妾・娼婦……等になるか。
 節子も夫に自分の生涯を託した。結婚すれば子供もできる。妻・主婦・母・嫁の役割を果たしつつ、自分と子供は夫の稼いでくる収入で生活する。生きる道は基本的にはこれしかないのだ。ところが啄木はその妻子が自分の文学的人生の最大の障害・束縛つまり「最も深い弱み」だと思っている。(母はもっとも近い血縁であって、もともとは他人である妻とは同列ではない。)

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