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2013年12月20日 (金)

石川啄木伝 東京編 212

 そのことは4日に来た節子の手紙にも書いてあつた。節子のうらめしい気持も痛いほどわかる。節子は3月でやめるはずだった小学校の代用教員をまだつづけている。今月は月はじめなのに京子の小遣いが20銭しかないというので、啄木は6日に社で18円前借りしたのだった。このうちから5円送ってやるつもりだった。ところがすでに見たようにその日浅草へ行って活動写真を見、お定まりコース塔下苑へ。12時に帰って下宿へ10円納め、残りは5円、なのであった。
 Sore ga, Tegami wo kaku ga iyasa ni iti-niti hutuka to sugite, ah……………!
 家族のことよりも自分が小説を書けない苦しみ(そしてそれからの逃避)が優先しているのだ。それを認めないから、いかにも家族のことを思っているように書いて、自らを欺いている。そんな自己欺瞞など消し飛ばす爆裂弾が2日後に届く。

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