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2013年12月28日 (土)

石川啄木伝 東京編 216

 敷衍するなら、こうなる。
 1945年(昭20)8月15日、廃墟に(何の「区別」もない空気の中に)立った日本人がまず最初になさねばならなかったのは、日本が近代化の過程でその身にまとった負の社会制度を(つまりあらゆる負の「定まり」を)そぎ落とすことであった。身近なところでは家族制度にはじまり、雇用制度・地主制度・財閥制度・官僚制度、頂点に位置する天皇制等、啄木がこの詩を書いている明治末期には完成の域に達していたこれら諸制度の負の側面を日本は思いっきり除去したのである。詩は30年後の歴史と符合してくる。
 最後の1行も印象的である。なぜなら「青い空」は8月15日のイメージであり、戦後史は「はてしれぬ青き、青き空の下に!」はじまったのであるから。
 小説が書けなくて、六銭の金も無い男が会社をサボってこんな予言詩を書く。まことに啄木は端倪(たんげい)すべからず。

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