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2014年1月18日 (土)

石川啄木伝 東京編 226

 4月19日
 下宿の虐待はいたれりつくせりだと、くやしそうに記す。もちろん何をされても啄木はがまんする。
 この日も小説に挑戦する。「小使豊吉」改め「坂牛君の手紙」と題して書き出す。5行も書かぬうちに12時になって出社。返って「坂牛君の手紙」をローマ字で書き出すが、疲れて10時には寝る。
 4月20日
 朝早く新来の女中が火鉢に火を移しに来る。うす目をあけて床の中から見ると、渋民の郵便局の娘に似ている。再びまどろむ。
 Te araku Shoji wo akete Otsune ga haitte kita : soshite Hibachi no Hi wo motte yuku.  Yo ga Me wo aku to,
    “ Anata no tokoro e wa ato de motte kimasu.”
    “Gyakutai shiyagaru ja nai ka ? ” to, Yo wa Mune no naka de dake itta ga, tsui Kuchi ni dete shimatta.  Otsune wa Kao-iro wo kaeta : soshite nan to ka itta.  Yo wa “ mnya mnya ” itte Negaeri wo shita !

 今日も虐待される啄木。自業自得か。
 5年前「大空地と断て、さらずば天(あめ)よ降りて/この世に蓮充(はしみ)つ詩人の王座作れ」(「沈める鐘」)と言い放った詩人、三年前でさえ「われこそは天才なり(雲は天才である)」と豪語した詩人は、今寝床の中だ。
 起き出して「坂牛君の手紙」2枚を書く。(まだ書こうとする!)そして出社。

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