« 石川啄木伝 東京編 239 | トップページ | 石川啄木伝 東京編 241 »

2014年2月16日 (日)

石川啄木伝 東京編 240

 しかし啄木には今月の25日は月給なしであることよりも、今手の中に25円もあることが気にかかる。今日の午前にも並木が来ていた。かれに時計を返せば下宿の分が足りなくなる。下宿に20円払えば時計はだめだ。「どうすればいい?」とあえて二者択一の問いをたてる。
 この”難”問は「shino ka shinumai ka to yu koto wo kessuru yori mo Yo no Atama ni Konnan wo kanjisaseta.」。そこで「To ni Kaku kore wo kimenakereba Uchi e kaerenai.」と浅草に足を向ける口実を作り出す。
 尾張町から電車に乗って雷門で降りる。下宿の夕飯なら無代で食べられるのに、外食する。活動写真には入る。ちっともおもしろくない。出て「スバル」短歌号を買う。これも下宿に帰れば届いているはずだ。電車賃も含めて全くの無駄遣いだ。でもこれらは「序曲」だ。
  Iku na ! iku na ! to omoi nagara Ashi wa Senzoku-machi(千束町) e mukatta.  Hitachi-ya no mae wo so to sugite, Kinkwatei to yu atarashii Kado no Uchi no mae e yuku to Shiroi Te ga Koshi no aida kara dete Yo no Sode wo toraeta.   Fura-fura to shite haitta.
 「Hitachi-ya」は例のおまささんのいる店だ。そこの前はそうっと過ぎて、新しい店の格子から出た白い手に引き込まれた。

« 石川啄木伝 東京編 239 | トップページ | 石川啄木伝 東京編 241 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/533861/59111240

この記事へのトラックバック一覧です: 石川啄木伝 東京編 240:

« 石川啄木伝 東京編 239 | トップページ | 石川啄木伝 東京編 241 »