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2014年9月26日 (金)

石川啄木伝 東京編 275

 郁雨が帰った後はどうか。19日書簡に見られる夫への嫌悪、7月5日書簡に見られる節子の心身両面にわたる深刻な不調を考えると、節子のセックスの拒否はそのまま続いたと考えられる。それは郁雨への愛の確認でもあり、この1年間の夫の不実特に今も自分と京子を負担視して小言を言う夫への強烈な批判であった。実際こう考えないと次の啄木の書簡が読み解けない。以下は7月9日郁雨宛て書簡の摘録である。 
  盛岡滞在が予定より二日ものびた様だつたね。それなら此方でも少しとめて置くんだつけと後で思つた。敢てヤイた訳でもない。一件は案外手ツ取早くきまりさうとの事。お芽出度う。ナニ君、そんなに気乗りがしなくたつて構はないよ。どうせ世の中に我々をして全力を捧げさせる様な気の利いた事があるものか。結婚だつて同じ事だ。君らの前途はうまく行くだらうよ。あまり気乗りなんかすると、アトの失望も随つて大きいといふものだ。謂ふ所の失望は女其人に対してゞはない。結婚といふ事実其事に対してだ。

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