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2014年10月14日 (火)

石川啄木伝 東京編 284

 (郁雨は)またこうも書いている 。
  次々と借金を重ねて行った彼の無反省的行動の裏には、実際には必須の事情が伏在したのだけれども、こうした彼の処世観念と、寺育ちという特殊な生態の生んだ自助心の希薄とが大きく影響して居たのではあるまいか。
 郁雨は一禎的金銭感覚が啄木の「根強い特殊の性格」になったこと、「借金」もその一環であったこと、それどころか啄木天才主義(「啄木の生活観念」「自助心の希薄」)の根柢にも「寺育ちという特殊な生態」を観ていたことは特筆に値する。きわめて貴重な指摘である。ただ、啄木のために弁護するなら、啄木は全借金の返却を真面目に考えていたのであった。いわゆる「借金メモ」こそその最良の証拠である。金田一京助は啄木の「借金」返済への思いに深い理解を示している 。この点では父一禎の金銭感覚とはまったく異なる。ここには母カツの影響を見なければなるまい。

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