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2014年11月12日 (水)

石川啄木伝 東京編 298

 9月に行こう。この月は小説「葉書」を書いた。中旬前後の執筆と考えられる。
作品内の時間は1906年(明39)6月末、場所は「××村(渋民村)の小学校」。
 最初の小説「雲は天才である」と同じ舞台・ほぼ同じ時期・ほぼ同じモデルを扱っている。
 主な登場人物(かっこ内は「雲は天才である」の人物)は代用教員甲田(代用教員新田耕助)、女教員福富(女教師山本孝子)、田辺校長(田島校長)、此木田老訓導(古山首座訓導)。これに乞食の中学生高橋次郎吉(にわか乞食の石本俊吉)。
 明治39年頃の田舎の小学校の教員室が内容豊かに描かれて行く。これは東北だけではなく日本の田舎の小学校の様子であったろう。
 職場の小学校で「常宿直」を買って出て5円の生活費を倹約する校長。その宿直を臨時に頼まれたときはきっと用事のできる老訓導。6月27日校長が「欠席児童の督促に出掛ける」と言うと、訓導は「家の春蚕(はるこ)が今朝から上蔟しかけてゐると言つてさつさと帰り仕度を」する。かれも蚕を飼うなど副業を営んでいるのだ。代用教員甲田の生活は推して知るべし。
 という風に田舎教師たちの生活ぶりを巧みに浮かび上がらせる。
 

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