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2014年11月18日 (火)

石川啄木伝 東京編 301

 福富は師範学校出のクリスチャンで「角張つた顔をした、色の浅黒い」平凡な女教師で
あるが、自立した判断力もありそれなりに魅力的な近代女性である。
 6月27日の放課後、片方の目が小さい、年は20歳くらいの乞食が学校に立ち寄り、休ませてほしいと言う。甲田は小使い室で休ませ話を聞いてやる。
 乞食は××(弘前)中学の3年生で、家庭の事情で茨城の郷里へ、乞食をしながら歩いて帰るところだという。
 甲田は乞食の話を聞きながら「噓を言つてるのではない」(この言葉は2度出てくる)と思う。同情もするが、甲田を同輩扱いする態度や甲田のたばこをむさぼり吸う様子に嫌悪も感じる。
 乞食は今日中に〇〇(盛岡)市まで歩いて行くという。そして今1円持っているがこれは郷里までなるべく使わないようにしたい。「いくらか僕に金を貸してくれませんか?」という。
甲田は「金さえ呉れゝば此奴(こいつ)が帰ると思ふと、うれしいやうな気がし」て、福富から五十銭銀貨を一枚借り、くれてやる。
 乞食中学生は甲田の名前を書きとめて盛岡に向かう。甲田の話を聞いた福富は乞食の後ろ姿をみて「気の毒な人ですねえ。」と言う。

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