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2014年11月23日 (日)

石川啄木伝 東京編 303

 「甲田は卓の上の葉書を見て、成程あの旅の学生に金を呉れてやつたのは詰らなかつたと思つた。そして、呉れるにしても五十銭は奮発し過ぎたと思つた。」(甲田の結論は此木田の意見+校長の意見である。)
 甲田・高橋の関係を回転させたのは「五十銭銀貨一枚」である。これをもらうまでの高橋はなにもうそを言っていない。したがって甲田もなにも「訛(だま)され」ていない。
 「五十銭」が高橋の気持ちを突然変えてしまったのである。「五十銭」が十銭か二十銭であったなら、高橋は無理をしてあと五里(約二〇キロ)を歩いたであろう。しかしこれまでの四日は道中にある社(やしろ)に泊まっては旅をつづけたのだ。すでに百三十~百四十キロは歩いていようか。
 「五十銭」を握った高橋は歩く気力が萎えてしまい、「日の暮れるまで何処かで寝てゐて、日が暮れてから密(そつ)と帰つて来て」村の木賃宿に泊まったのだろう(福富の推理)。

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