« 石川啄木伝 東京編 319 | トップページ | 石川啄木伝 東京編 321 »

2014年12月28日 (日)

石川啄木伝 東京編 320

 7月20日頃「汗に濡れつゝ(九)」に「人生の真面目を……面相接して直視するといふ事は容易に出来る事ではない」と記した時はまだまだ甘かった。
 「この心持をそらすやうないかなる方法もとりたくありません」という啄木。この心を持ったとき「人生の真面目」を「直視する」啄木が誕生した。啄木の「回心」(井上ひさし) である。
 盛岡中学5年生以来8年間の啄木の心を支えたのは天才意識であった。
 今日以後の啄木の心を支えるのは直視の精神である。啄木には自分や他者の心理のひだからナショナルな、果てはグローバルなことどもまで視る目を持っているのであった。現在の事どものみならず、未来も歴史も見える人なのであった。
 以後啄木は、それらすべてを直視しようとするであろう。直視したすべてを総合する天才は生まれ持っている。だが、残り人生はわずかに2年半。

« 石川啄木伝 東京編 319 | トップページ | 石川啄木伝 東京編 321 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/533861/60855001

この記事へのトラックバック一覧です: 石川啄木伝 東京編 320:

« 石川啄木伝 東京編 319 | トップページ | 石川啄木伝 東京編 321 »